アロマテラピーで睡眠対策!今日から試せる3つの活用法とおすすめの精油4選

 訪問看護の利用者様には不眠で悩む人も多いですが、働く私たちもしっかり休んでおかないと、仕事のパフォーマンスに影響が出てしまう可能性があります。

 薬に頼らず、自然な方法で眠りの質を高める手段として注目されているのが、アロマテラピーです。
 香りの力を利用したアロマテラピーは、医療や科学の分野でも研究が進んでおり、質の良い睡眠に役立つことがわかっています。

 本記事では、以下について解説していきます。

・アロマテラピーの基本的な仕組みとメカニズム
・質の良い睡眠に役立つアロマテラピーの活用法3選
・質の良い睡眠におすすめの精油4選
・アロマテラピーを安全に行うための注意点

アロマテラピーで質の良い睡眠を目指し、仕事にプライベートに充実させましょう。

この記事を書いたひと:shannmama

アロマテラピーとは?睡眠に役立つ理由

 アロマテラピーとは、さまざまな植物の精油を用いた健康療法のことをいいます。香りは脳や皮膚を通して、心身にアプローチします。

 アロマテラピーの基本的な仕組みと、良質な睡眠に役立つ理由について詳しく解説します。

アロマテラピーの基本的な仕組み

 アロマテラピーとは、芳香植物から抽出した精油を利用し、香りによって心や体に働きかける芳香療法です。

 芳香成分は嗅覚を通して脳へと届き、自律神経系や内分泌系、免疫系など様々なルートからアプローチをかけます。

 その中でも、自律神経系への作用が睡眠に大きく関わっており、薬に頼らない選択肢としてアロマテラピーを取り入れる人が増えています。

自律神経への作用

 精油の香りは、自律神経のバランスを整える働きがあると言われています。
 1日の中で、日中の活動時は交感神経が優位となり、夜間の休息時には副交感神経が優位な状態へと変化します。

 アロマテラピーは、交感神経の過剰な興奮を鎮め、副交感神経を優位に導くことで、心身を落ち着かせスムーズな入眠をサポートします。

アロマテラピーで質の良い睡眠を得るための3つの活用法

質の良い睡眠へ導くためのアロマテラピーの活用法として、以下3つを紹介します。

・嗅覚から脳を通しての活用法
①芳香浴法
②沐浴法
・皮膚塗布による活用法
③トリートメント法

嗅覚から脳を通しての活用法

①芳香浴法

 芳香浴法とは、ディフューザーなどでお部屋に香りを拡散する方法をいいます。手軽に取り入れられるアロマテラピーの活用法です。

 ティフューザーで寝室全体に優しい香りを広げることで、眠りに向けたリラックス空間を演出しやすくなります。
 さらに室温(夏は25℃〜28℃、冬は18℃〜23℃)や湿度(50〜60%)を調整し、間接照明などでほのかな明かりにすることで、自然に眠りにつけるような環境を整えられるでしょう。

 ほかにはティッシュやコットン、ハンカチなどに精油を垂らす方法もあります。私はよく、ティッシュに精油を垂らして、枕元に置いて寝ます。精油によってはシミになるものがあるので、ハンカチを使う場合は目立たない部分に付けて試してから使用しましょう。

 マグカップやボウルなどにお湯を張り、精油を垂らす方法でも芳香浴は可能です。

②沐浴法

 日本人はお風呂に浸かる習慣のある人が多く、沐浴法も取り入れやすい方法のひとつでしょう。
 精油をお風呂に数滴加えるだけで、バスルームが癒やしの空間に変わります。

 質の良い睡眠のためには、就寝の2時間前を目安に、ぬるめのお湯(40℃以下)に20分程度浸かることがポイントです。

 そうすることで、深部体温がだんだんと下がってくる過程で眠りに入りやすくなります。そこに精油をプラスすることで、香りと温浴の相乗効果が期待でき、心身の緊張をほぐして深い眠りをサポートします。

全身浴のほかにも、手浴、足浴など部分浴でもアロマテラピーを楽しむことができます。

【沐浴法における注意点】

精油は「親油性」といって、水に溶けにくく、油に溶けやすいという物理的特徴を持っています。

精油をそのままお湯に落としても湯面に浮いてしまい、精油が直接皮膚に触れる可能性がありますので、沐浴法においては、精油をあらかじめ乳化剤や無水エタノールなどに溶かして準備します。

芳香浴など香りを楽しむ目的においては原液でも構いませんが、沐浴など皮膚に触れる可能性がある場合は、精油は必ず希釈して使用します

皮膚塗布による活用法

③トリートメント法

 就寝前のハンドトリートメントも、自分で行えるセルフケアとしても取り入れやすい方法です。
 精油を希釈したオイルで手をやさしくマッサージすることで、愛情ホルモンと呼ばれているオキシトシンが分泌され、心身ともにリラックスした状態を作り出し、心地よい眠りへと導きます。

【皮膚塗布の際の注意点】

・精油の原液を直接皮膚につけず、必ず希釈して使用する
→精油は芳香成分を高濃度に含有しており、原液のままでは刺激が強いため、必ず希釈して使用します。

・皮膚刺激の強い精油は避ける
→柑橘系やスパイス系の精油は、皮膚刺激を感じることがあるので、皮膚塗布にはおすすめしません。

良質な睡眠におすすめの精油については、次の章で解説します。

良質な睡眠におすすめの精油4選

数ある精油の中でも、良質な睡眠におすすめの精油を紹介します。

・ラベンダー
・マジョラム
・ベルガモット
・サンダルウッド

比較的手に取りやすい精油を選んでいます。それぞれの精油の特徴を解説していきます。

ラベンダー

 ラベンダーは、ハーバル調の香りが特徴で、芳香浴からトリートメントまで幅広く使用でき、アロマテラピーにおいて万能精油とも言えます。

 禁忌事項や注意事項も特にないため安全性も高く、子どもから高齢者まで安心して使用できます。
 ラベンダーには抗不安作用や誘眠作用があると言われており、ストレスを軽減し安眠をサポートする代表的な精油で、家庭に常備したい精油のひとつです。

マジョラム

 マジョラムは爽やかでスパイシーな香りが特徴で様々な特性を持つ精油です。中でも副交感神経への作用が強いのが特徴です。

 アロマテラピーの歴史が深いヨーロッパでは、マジョラムは古くから民間薬として使用されてきました。禁忌事項や注意事項も特にないため、安心して使用できます。
 良質な睡眠への作用だけでなく、精神の不調を感じたときのトリートメントにもおすすめの精油です。

ベルガモット

 ベルガモットは柑橘系の精油で、紅茶のアールグレイの香りづけに使用される香料としても有名です。爽やかな香りで気分をリフレッシュするとともに、精神を安定させる作用を持つと言われています。
 ベルガモットはほかの精油との相性が比較的良いので、混ぜ合わせることで新しい香りを楽しむことができます。

 ベルガモットの使用には注意点があります。皮膚刺激の可能性があり、光毒性(精油を塗布した肌を直射日光に当てるとシミになりやすい)があるため、皮膚に塗布するのは避けましょう
 ベルガモット精油を使用する際には、トリートメントではなく、芳香浴で楽しむことをおすすめします。

サンダルウッド

 深みのあるウッディな香りが呼吸を深め、瞑想にも使われるほど精神を安定させる作用が高いと言われている精油です。

 サンダルウッドはオリエンタル調のフレグランスには欠かせない香りです。
 またリンパや血流など滞っているものを流す作用もあると言われているので、寝る前のトリートメントにブレンドすることをおすすめします。

☆おすすめ精油の使い方のポイント☆

精油は単独で使用するだけでなく、他の精油と混ぜ合わせることで、新しい香りを楽しむことができます。

ラベンダーは、今回紹介したほかの精油とも相性が良いので、ブレンドした香りもぜひお楽しみください。

アロマテラピーを安全に行うための注意点

 精油は日本国内において、医薬品にも化粧品にも該当しない「雑品(雑貨)」扱いのものが多く、製造法や衛生環境などを管理する法律もないため、飲用や薬のようにして使用することはおすすめしません

 自分自身がブレンドしたものを、自己責任のもとに用いることが基本となります。アロマテラピーを安全に行うにはいくつか注意点があるので、解説します。

使用時のアレルギーや体調面の確認

 精油には強い成分を含むものもあり、体質やアレルギーによっては肌荒れや不調を引き起こす場合があります。使用前に必ずパッチテストを行い、使用中でも体調に異変を感じたら使用を中止してください。

 柑橘系やスパイス系の精油は、皮膚に刺激を感じることがあるので、トリートメントなど皮膚塗布にはおすすめしません。芳香浴で楽しむとよいでしょう。

妊娠中・持病のある方の注意事項

 妊娠中や特定の持病がある方は、使用できない精油もあります。芳香浴で親しむ程度であれば問題ありませんが、気分が悪いなど身体の変化があれば使用を中止してください。

 精油を選ぶ際には自己判断はぜず、専門家に相談してから取り入れるようにしましょう。

まとめ|アロマテラピーで質の良い睡眠を手に入れよう

 アロマテラピーと睡眠に関するまとめは、以下です。

・アロマテラピーでは、脳や皮膚を通して心身にアプローチする
・質の良い睡眠のためのアロマテラピーの活用法は、芳香浴や沐浴、トリートメント法がある
・質の良い睡眠に有用性のある精油は、ラベンダー、マジョラム、ベルガモット、サンダルウッド
・体質によっては肌荒れや不調を引き起こすため、不調を感じたらすぐに使用を中止する
・妊娠中や持病によっては使用を控えたほうが良い精油もあるので、専門家に相談しましょう

 アロマテラピーは、自然で安心感のあるセルフケアのひとつです。

 香りの力で自律神経のバランスを整え、心と体をやさしく癒やすことができます。ディフューザーや入浴、ハンドトリートメントなど、日常に取り入れやすい方法から試してみて、質の良い睡眠を目指しましょう。

 仕事でのパフォーマンスも上がること間違いなしです。

この記事を書いたひと:shannmama

関連記事

  1. 看護職員の動向を徹底分析!熊本の現状と今後の注目すべき3つのポイント

  2. 認知症の理解を深めるための視点やコミュニケーション法を紹介!訪問看護師が果たす重要な役割とは?

  3. 訪問看護で働くなら知っておきたい!向いている人の特徴と必要なスキルを徹底解説!

  4. 訪問看護で働くのは大変?現役訪問看護師がやりがいを感じる瞬間を紹介!

  5. 【退院日当日】結局のところ訪問看護に入れるのか?

  6. 【訪問看護事業所向け】PR活動の本質!3つのポイント〜選ばれる事業所へ〜